みなさんこんにちは!劇団時計です。
先日、夏季プロデュース公演の情報と仮ビジュアルが解禁されました!
キャストやスタッフの情報も載せてありますのでぜひご確認ください!
ということで2021年度の夏公演が始動したわけでありますが、みなさんは本公演のタイトルを見て何が頭に思い浮かんだでしょうか。そのタイトルとはこちらです。
『δに咽ぶ小夜啼鳥』
「でるたにむせぶさよなきどり」と読みます。
(。´・ω・)???
そして、先日公開された新人公演の電子パンフレットには本公演の次回案内が載せられたのですがそのページはこちら。
(。´・ω・) ???
早急にこのポエムの解読に取り掛かりお客様に観劇前の楽しみとして、少しでも要素をお伝えできればなと思った次第であります。
今回協力してくれるのはいば(写真右)と森くん(左)。舞台美術のお二人です。
ーーーでは早速、このポエムを上から解読していきましょう。ーーー
森:これ、文章だけでなくタイトルからですか?
ーーーはい。ーーー
いば:タイトルから…。
森:なるほど。まず「デルタ」が何なのかっていう話ですよね。オリオン座の真ん中の三つの星をデルタ文字に見立てたっていうの聞いたことがあります。天文学ならそのデルタかな~とは思いますけど。
いば:こっち(Δ)のデルタは、ピラミッドの並びと同じみたいなのも聞いたことある。
森:デルタの意味を調べてみましょう。
いば:デルタって物理でちょっと使ったことしかない。大文字のデルタ。(Δ←これ)
すると、近くにいた岡田くんが…
岡田:演出さんが前言ってたんですけど。デルタってものすごく小さいって意味があるらしいです。
いば:なんかちょっとずつ変化するみたいな感じだっけ?
岡田:そう。それでなんでこのタイトルにこの文字が付いてるかっていうと…。
その後、延々と話し続ける岡田くん。
いば:もう演出からの正解が出ちゃってるんですけど…。もう解読しなくていいんじゃないですか?(笑)
ーーー終了?ーーー
いば:企画倒れですね。
企画倒れになる前に本文に移りたいと思います。まずはこちら。
森:観念は、考えとかそういう意味ですよね。
いば:観念論とかたまに聞くけど。
森:具体的現実から離れて抽象的に頭の中で考えることを観念と言うそうです。
いば:形而上学的な意味合いかね。
森:だから言い換えると、自分の思考による産物が…矛盾…? 矛盾…?
いば:実体のないものを研究したとしてそれは真ではないよねみたいな?
森:なるほど……。納得しちゃった。
いば:ちょっとやめて。
森:現実世界にあることを抽象的に考えたところで、それは現実世界に適用できるのかってことですかね…?で、二行目。「矛盾と見做せる矛盾の方が少ないのかもしれない」
いば:ははは(空笑い)
森:矛盾っていう言葉の元の話(最強の矛と最強の盾どっちが強いでしょうか!のあれ)も現実じゃ起こり得ないじゃないですか。これと一行目の内容を踏まえると、矛盾を認識しているのは我々の思考だから、我々の思考を除いたときに矛盾として存在するものはないのかな、っていう感じですかね。
いば:矛盾か矛盾じゃないかっていうのすらも抽象的なのかもね、っていうのが「なんて彼は観念的なことを考えている」という一文が表してることですかね。
森:「地に足がつかなくなるから、どうせ活きないから」は、意味ねえからっていうのを難しく言ってますね。
いば:実生活に役に立たないこととかも重ねて、このポエムの作者は書いてるんですね。ポエミー(笑)
なかなかスラスラと考察してくれる二人。お次はこちら。
森:ゲド戦記みたいですね。テルーの唄。「こーころをなににかぞえよう」
いば:空集合とか、二年前に習ったことはなんにも。
森:覚えてないです。仮面ライダーファイズの顔みたいな記号。空集合を調べましょう。
いば:(調べて)あぁーなるほど。空集合は何も含まないからこそすべての集合に対して部分集合を取れる。
森:「そうだ空を見よう」から「~部分集合であるから」につながるんですかね。
いば:心を空集合にするってことじゃない?何も考えていなければ何者にでもなれるみたいな。
森:ポエミー
いば:ポエミー
ーーーそして、「心を焦がし尽くす黄昏。厭らしい薄暮。」ーーー
森:黄昏は夕方ですね。いい感じの情景。
いば:薄暮も黄昏と同じような意味らしいです。
森:(調べて)日没から暗くなるまでの間。あれですかね。太陽自体は隠れているけど紫と赤が混じったような空。
ーーーが、厭らしいみたいです。ーーー
森:700nmは赤色の光の波長みたいですね。夕方を見て高校時代のことを思い出しているんですね。
ーーーこの「嗤う」って普通の笑うとは違う意味だよね。ーーー
いば:嘲笑ですよね。
森:ここに「笑」の漢字が使われてたら気が抜けますよね。
いば:なんか笑顔だなみたいな。(笑)
森:笑いのニュアンスの違い。他人を害することを考えてる時の「わらい」だと思います。
いば:そこにいない彼女のことを考えてるのだとしたら観念的ですね。
ラスト6行まで来ました。
森:うわぁー。古文でしか見ない感じがいっぱいある。
いば:もう言葉遊びみたいな。熅きるに関してはフォントがない(笑)
ーーーまず、燻りまでで止めましょう。ーーー
いば:魑魅魍魎(ちみもうりょう)の魑がありますね。
森:魑に葦をつけて熅きる燻り。葦は植物ですよね。熅きるは初めて見ました。
いば:同じく。
森:Googleの予測変換でも出てこないですね。彼女が=魑に葦をつけて~と読めるので…、魑に葦をつけて熅きるを攻略しなければ話が進みませんね。
いば:最初の方の「地に足がつかなくなるから」との対比ですよね。
森:魑は意志を持った非現実的なもの?と考えることもできるんですかね。だとすると「葦をつけて」の部分がよく分からないですね。
ーーー一旦飛ばしてみますか。ーーー
森:「任意の事象を演繹し始める」。帰納法と演繹法がどっちがどっちだか忘れた…。
いば:忘れたな…。
森:(調べて)演繹法は「式の連なりで推論を重ねる」らしいです。帰納法は「多くの共通事例から一つの答え」を……。で、任意の事象って何…?
ーーー「胡蝶の夢に真偽などは関係ないのだ」 胡蝶の夢ってなんか有名な話だよね?ーーー
森:夢を見たら自分が蝶になっていたけど、実は蝶が実体で蝶が見ている夢が自分なのかもしれない。鏡みたいな。どっちがどっちでもどうしようもないってことですよね。
さぁ、ラスト4行。
ーーー第一段落あたりと同じようなことが書かれていますね。ーーー
森:「魑に葦をつけて生きる燻りが」にあまり意味はないと考えるのは思考放棄でしょうか。
ーーー分からないからいいんじゃね?(適当)ーーー
いば:深読みしていいですか。
森:おぉ。お願いします。
いば:この「葦」って「人間は考える葦である」で有名ですよね。あれって、人間は葦みたいに弱いけど考える力があるから強いよね、みたいな話じゃないですか。魑に葦をつけてっていうのは、このポエムを書いている「彼」が、そこに存在しない「彼女」のことを考えることによって、「彼女」が存在しちゃっているんじゃないかなと思いました。
森:なるほど。「地に足が付かなくなるから」と「魑に葦をつけて熅きる燻りが」が対比だとすると、どういう意味があると思いますか?
いば:めっちゃ発展させてくるじゃん。(笑)そもそも熅きるが分からない。
ーーーでは、最下段の日時と場所の解読もお願いします。ーーー
森:日時は9月中旬予定!会場は東京都立大学南大沢キャンパス予定!みんな見に来てね!
いば:お、宣伝だ。素敵ですね。
森:最後にポエムまとめますか?
ーーーまとめられないと思うけどまとめてみましょうか。ーーー
森:まず第一パラグラフ。
いば:なんか英語みたい。(笑)
森:第一パラグラフはいろいろこねくり回してるけど、このポエムの作者の思考ですよね。ちょっと悲観的になってる俺、みたいな。
いば:なにそのナルシストみたいな。
森:特に意味はないと思います。
いば:この行全部意味ないってやばいよまじで。
森:だって何も伝えようとしていないので。
いば:悪口じゃん(笑)
森:で、第二パラグラフ。ここは、あらすじ?というか話に繋がりそうな感じの文章ですね。
いば:黄昏。彼、彼女は誰なんだろう。
森:「誰そ彼」ですね!それで、彼女は彼を観念的にさせる。ある種、悲壮に混じった感情にさせる存在みたいです。
いば:で、第三パラグラフ。
森:どう伝えればいいんですかね…。
いば:やっぱり「小夜啼鳥」と「胡蝶の夢」という2つの物語が鍵を握るんじゃないかと、そう、思いますね。(ドヤ顔)
森:胡蝶の夢、宇宙の膨張、小夜啼鳥、あとは…観念、黄昏、薄暮、あとなんだろ…。
いば:参考書にひたすらマーカー引く人じゃん。何書いてるか分からなくなるやつ。
森:ここに書いてあることがもしかしたら考える要素になるかもしれないですね。
いば:これを読んでから公演を見ていただけると楽しめるかもしれないですね。
森:そうですね。これを読んで自分で考えて、劇を見てこれを読んで、その時あなたの思考がどう変わっているか、その思考の変化を生み出すのが劇です!!
ーーーそれも一つの楽しみ方ですね。ーーー
森:はい!!!!観念的ですね!!!!
いば:ちょっとまとまりかけたのに収集付かなくなっちゃった。(笑)
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以上、ポエム解読のお時間でした。
最後に二人が言っていたように、劇を観る前後にこのポエムを読んでおくとより楽しめるかもしれません!
本番公開までいろいろ思考を巡らしてみてください。
今後も様々なブログ企画を更新予定ですのでお楽しみに!また、近日中に予約解禁がされる予定ですのでそちらももう少々お待ちくださいm(__)m
それではまた!
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