前回のお話はこちら
???「1、2、3、4!5,6,7,8!」
???「そこまで!ヒロ、さっきのところもう一回踊って!」
佐々木「こうっすか?」
???「こう!!!!!!!!」
???「はい、もう一回行くよ!!!」
彼女は“なっちゃん”。本公演で振付・振付指導を担当している。
そう、今回の公演にはダンスシーンが取り入れられているのだ。
…しかし、座組に一人、ほんの少し踊りの苦手な部員がいる。
その日の午後、彼はスタッフワークを終えてやって来た。
チラシの折り込みの仕事帰りのトムだ。
ブワッ
T「うわぁっ」
突然の暴風がトムを襲う。
T「何だ今のは…!?」
なっちゃん「待っていましたよ、トムさん!」
そこにはなっちゃんの姿が。
T「な…、踊りの勢いで俺が吹き飛ばされたというのか!?」
なっちゃん「トムさん、出遅れてますから、今日は個人指導ですよ!!」
なっちゃん「とりあえず最初の方の振りから一緒に踊ってみましょう。」
T「腕が絡まっちまった!」
T「俺はどうしたらいいんだ…。」
なっちゃん「振りを覚えるのは難しそうですね…。では、ジャンプだけでも習得しましょう!」
T「おう!」
なっちゃん「ここは特に動きに指定はないですが、自由に大きく飛んでみましょう!」
なっちゃん「トムさん。」
T「痛て…!今のジャンプで腕つった…。」
なっちゃん「腕使ってました?…とりあえず、少し休んだら一旦自主練習にしましょう。」
T「なっちゃん、俺はどうしたら踊れるようになるんだ…。」
なっちゃん「そうですね…。トムさんの踊りには何かが欠けてるんですよね…。」
T「何か…?」
なっちゃん「ダンスは、“心”で踊るんです。トムさん、頑張ってください!!」
T「こ…ころ…?」
T「心って、 かんじょう の事で、あってるよね、なっちゃん?」
~数十分後~
駒野「あれ?」
駒野「あれは…この間入部したトムか。」
T「ともきサァン!!」
駒野「どうしたトム、こんなところで。」
T「心で踊れって言われたんですけど、分かんなくて…。」
駒野「なるほど、なっちゃんに言われたんだな。あの子は小さい頃からバレエをやっていて、踊りとともに育ってきたんだ。」
T「それと比べたら、俺なんて、二足歩行にも慣れてないのに…。」
駒野「確かに、お前は周りと比べて経験が足りてないのかもしれない。でもな、お前だって皆に負けないくらいの情熱を持ってるだろ!!!」
駒野「その情熱を、踊りを通して俺たちに見せてみろ!!なっちゃんが言ってた“心”ってのはな、そういうことなんだよ!!!」
T「なるほど、俺、頑張ります!!」
そうして、ジャンプに成功したトムは、次の仕事へと向かうのであった____。
「…あれ?」
「トム、何か忘れてるぞ?」
「何だこれは…。」
「宣伝じゃないか…!!!!!」
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