卒公ドキュメンタリー第4話「Dance,dance,dance!!」

前回のお話はこちら

???「1、2、3、4!5,6,7,8!」

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???「そこまで!ヒロ、さっきのところもう一回踊って!」

佐々木「こうっすか?」

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???「こう!!!!!!!!」

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???「はい、もう一回行くよ!!!」

彼女は“なっちゃん”。本公演で振付・振付指導を担当している。

そう、今回の公演にはダンスシーンが取り入れられているのだ。

 

…しかし、座組に一人、ほんの少し踊りの苦手な部員がいる。

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その日の午後、彼はスタッフワークを終えてやって来た。

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チラシの折り込みの仕事帰りのトムだ。

 

 

ブワッ

T「うわぁっ」

突然の暴風がトムを襲う。

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T「何だ今のは…!?」

なっちゃん「待っていましたよ、トムさん!」

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そこにはなっちゃんの姿が。

T「な…、踊りの勢いで俺が吹き飛ばされたというのか!?」

 

なっちゃん「トムさん、出遅れてますから、今日は個人指導ですよ!!」

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なっちゃん「とりあえず最初の方の振りから一緒に踊ってみましょう。」

T「腕が絡まっちまった!」

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T「俺はどうしたらいいんだ…。」

なっちゃん「振りを覚えるのは難しそうですね…。では、ジャンプだけでも習得しましょう!」

T「おう!」

 

なっちゃん「ここは特に動きに指定はないですが、自由に大きく飛んでみましょう!」

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なっちゃん「トムさん。」

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T「痛て…!今のジャンプで腕つった…。」

なっちゃん「腕使ってました?…とりあえず、少し休んだら一旦自主練習にしましょう。」

 

T「なっちゃん、俺はどうしたら踊れるようになるんだ…。」

なっちゃん「そうですね…。トムさんの踊りには何かが欠けてるんですよね…。」

T「何か…?」

なっちゃん「ダンスは、“心”で踊るんです。トムさん、頑張ってください!!」

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T「こ…ころ…?」

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T「心って、 かんじょう の事で、あってるよね、なっちゃん?」

 

~数十分後~

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駒野「あれ?」

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駒野「あれは…この間入部したトムか。」

T「ともきサァン!!」

 

駒野「どうしたトム、こんなところで。」

T「心で踊れって言われたんですけど、分かんなくて…。」

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駒野「なるほど、なっちゃんに言われたんだな。あの子は小さい頃からバレエをやっていて、踊りとともに育ってきたんだ。」

T「それと比べたら、俺なんて、二足歩行にも慣れてないのに…。」

 

駒野「確かに、お前は周りと比べて経験が足りてないのかもしれない。でもな、お前だって皆に負けないくらいの情熱を持ってるだろ!!!」

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駒野「その情熱を、踊りを通して俺たちに見せてみろ!!なっちゃんが言ってた“心”ってのはな、そういうことなんだよ!!!」

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T「なるほど、俺、頑張ります!!」

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そうして、ジャンプに成功したトムは、次の仕事へと向かうのであった____。

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「…あれ?」

 

「トム、何か忘れてるぞ?」

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「何だこれは…。」

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「宣伝じゃないか…!!!!!」

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